今回は主に関西の電車の話です
結論からいきましょう
Osaka Metro→勤務日数にかかわらず、PiTaPaのマイスタイル登録
私鉄は週5日以上、JRは週4日以上勤務→定期券をクレジットカードで購入(可能なら6ヶ月)
私鉄は週2~4日勤務、JRは週2~3日勤務→PiTaPa/ICOCAの利用回数割引(手続き不要)
同一区間の利用が10回以下は下記いずれか(私鉄、JR共通)
・SMART ICOCAにチャージして使用(ポイント加算のあるクレジットカードで)
・タッチ決済可能なクレジットカードで支払い
定期券はどれくらい安いか
通勤の場合
電車で通勤/通学されている方は定期券を購入されていることが一般的かと思います
会社員の方は通勤手当を支給されると思いますが、
私の勤務先では1ヶ月定期の料金が、毎月の通勤費として支給されます
電車賃を安くできれば、支給額との差額は黒字になります
それで、どうすれば電車賃がお得になるの?
簡単な方法は、定期券の代金をクレジットカードで支払うことです。
(以前と違い、定期券をクレジットカードで購入可なことも多いです)
クレジットカードのポイントが付く分、お得です。
また、毎月購入ではなく6ヶ月で購入したほうがおおよそ1割安いです
ただし、中には定期券を買わないほうがお得なことも
ちなみに6ヶ月定期券はお得ですが、年度途中で勤務先が変更になった場合などは払い戻しが必要です。
その場合は手数料や、日ごとではなく月単位での払い戻しとなるため損することが多いです。
どれくらいお得か見ていきましょう
完全週休2日と週休2日は厳密には異なりますが、今回は一般にイメージする完全週休2日で考えます
52週×2日で休日は最低104日、祝日は16日、有給休暇が10日あった場合
365ー(104+16+10)=235 つまり1年で勤務日は235日あります
(会社によっては夏季休暇があったり、祝日が土曜日と重なったりするので多少前後します)
次に電車賃と定期代を計算します。定期代は6ヶ月定期が割引率が最も高いです。
一例として阪急電鉄で考えてみます 京都河原町~梅田で通勤する場合
運賃(片道)410円 往復で820円/日 一年間の費用は820×235=192,700円
定期代(通勤1ヶ月) 16,180円 一年間の費用は16180×12=194,160円
定期代(通勤6ヶ月) 87,380円 一年間の費用は87380×2=174,760円
金額で言えば 通勤6ヶ月定期<普通運賃<通勤1ヶ月定期 となりました
更に関西の私鉄にはPiTaPaでの利用回数割引というものが存在します
PiTaPaで同一区間に11回以上乗車すると、10回を超えた分が1割引になるので、もっと安くなります
参照元:PiTaPa割引サービス
利用回数割引が適用されたとして、改めて計算してみます
通常運賃は410×10回/月×12ヶ月=49,200円
割引運賃は410×0.9×(235日×2回/日-120回)=129150円 合計178,350円/年
金額で言えば 通勤6ヶ月定期<普通運賃<通勤1ヶ月定期 と順番は変わりませんでした
ただし、クレジットカードで購入したポイント分は反映していません。なので更に6ヶ月定期券が有利です
結論としては通勤6ヶ月定期が最安です! しかし思ったほど差はないのかもしれません
※ちなみに、阪急電鉄と京阪電鉄の一部は利用回数割引が更にお得です
利用回数割引、10回以上で10%かつ30回以上で15%割引となります
計算してみましょう
通常運賃は410×10回/月×12ヶ月=49,200円
割引運賃は410×0.9×20回/月×12ヶ月=88,560円
割引運賃は410×0.85×(235日×2回/日ー360回)=38,335円 合計176,095円/年
結局、通勤6ヶ月定期券が一番安いですね!
元をとるための乗車回数
私鉄の場合、一ヶ月定期で元を取る場合には43回、電車によっては44回かかる計算でした。
未なくても良いですが、一応計算方法を記載しております
利用回数割引、10回以上で10%
410{10+(x-10)×0.9}≧16180 x≧42.7
利用回数割引、10回以上で10%かつ30回以上で15%割引(阪急と京阪の一部)
410{10+(30-10)×0.9+(x-30)×0.85}≧16180 x≧43.4
JRは一般的に定期券の割引率が私鉄よりも大きいです
京都~大阪で考えてみましょう
普通運賃580円、1ヶ月定期17,140円、6ヶ月定期87,120円
JRにも同様に利用回数割引があるようです(PiTaPa/ICOCAのどちらでも可)
580{10+(x-10)×0.9}≧17140 x≧31.7
1ヶ月定期の元を取るには32回乗車する必要があります
月16日(平均週4回)勤務すれば、定期券で元が取れる計算になります
通学の場合
通学の際はOsaka Metroを除き、圧倒的に定期券が安いです
読み飛ばしていただいて構いませんが、一応考えてみます
先程の阪急河原町~梅田の経路で
1ヶ月定期 5,270円 6ヶ月28,460円
1ヶ月定期の元を取るには13回→1ヶ月のうち7日通学すれば定期券の元をとれます。
ちなみに、JRは面白いことに中学生>高校生>大学生の順番で割引額が大きいです
先ほど同様に京都~大阪で考えます 片道運賃は580円です 日数は元を取るのに必要な日数です
(利用回数割引は考慮していません)
1ヶ月 | 日数 | 3ヶ月 | 日数 | 6ヶ月 | 日数 | |
---|---|---|---|---|---|---|
大学 | 7,660 | 7日 | 21,860 | 19日 | 41,400 | 36日 |
高校 | 6,890 | 6日 | 19,670 | 17日 | 37,260 | 33日 |
中学 | 5,360 | 5日 | 15,300 | 15日 | 28,980 | 25日 |
学生は何も考えずに定期券を買いましょう!
最近は紛失しても再発行ができるので、割引率の大きい6ヶ月を買うのが良いでしょう。
(磁気定期券は再発行できないので、注意。見つかれば払い戻しはできるようですが・・・)
定期券を買わない方が良い人
①勤務日が少ない場合
例えば週に4回会社に通勤し、週に1回はリモートで在宅勤務する場合を考えてみましょう
勤務日は52週×4日で、祝日が16日、有給休暇が10日あった場合
52×4ー(16+10)=182日 勤務日は年間で182日あります
(会社によっては夏季休暇があったり、祝日が土曜日と重なったりするので多少前後します)
次に電車賃と定期代を計算します。定期代は最も割引率が高い6ヶ月定期で考えます。
また阪急電鉄で考えてみます 京都河原町~梅田で通勤する場合
通常運賃は410×10回/月×12ヶ月=49,200円
割引運賃は410×0.9×(182日×2回/日-120回)=90,036円 合計139,236/年
定期代(通勤6ヶ月) 87380円 一年間の費用は87,380×2=174,760円
たしかに、この場合は定期券を買うと損だね
1日に3~4回電車に乗ったり、休日も出かける場合は、定期券が割安となることもあります。
他にも出張が多い方などは、定期券を買うと実質的には損してしまう可能性はありますね。
②週休2日(土日祝が休み)だが、例外に該当する場合
さっき定期券のほうが安いって言ってなかった?
たしかに一般的には定期券のほうが安い
しかし、世の中には例外が存在する
例外①~南海電鉄と泉北高速鉄道の乗り入れ
泉北高速鉄道 和泉中央駅~南海電鉄 なんば駅で通勤する場合
運賃(片道)590円
通常運賃は590×10回/月×12ヶ月=70,800円
割引運賃は590×0.9×(235日×2回/日-120回)=185850円 合計256,650/年
定期代(通勤6ヶ月) 151,700円 一年間の費用は151,700×2=303,400円
え!?定期券のほうが高いよ!
そうなんです・・・
からくりとしては南海と泉北高速鉄道の乗り入れでは片道運賃から合計100円ひかれる為、そちらの方が安くなるんです。(定期券は割引なし)
ちなみに、泉北高速鉄道単独や南海電鉄単独では安くなりません
ただし、勤務日数がもっと多い場合は定期券の方が割安なこともありますので注意してください
法律では週の勤務時間は決まっていますが、週の日数は決まっていないため、会社によっては週6日勤務はありえます(一日は休日を取る必要があるので、週7日勤務は通常ない)
例外②~Osaka Metro マイスタイル
先ほど出てきたPiTaPaですが、Osaka Metroの区間指定割引では
なんと乗車1回目から登録駅の運賃が10%オフになります!!
マイスタイルとはなんぞや?→マイスタイル利用額割引を参照ください
以下、簡単に説明します
上図にあるように、定期券よりも乗降車可能な駅が格段に増えます
注意点としては下記です
①どちらかの登録駅で乗車または降車をしなければならない
②振替輸送の際は、追加で料金を支払う必要がある(定期券ならば無料で振替輸送可能)
Osaka Metroのマイスタイル(区間指定割引)が良いところは上限が6ヶ月定期券相当額なところです
これ、他の会社では上限が1ヶ月定期券相当額なことが多いので、すごいことなんですよ!
(要は他社よりも上限額が低く設定されている)
また、Osaka Metroでは自動で適応されるフリースタイルというのもあります。
PiTaPaをもっていればOsaka Metro・バスが自動的に10%オフになるというもの
休日のおでかけなどの際にも割引が適応される、利用者に優しい制度となっております
ちなみに、通学の場合は20%オフになります。
結論として、Osaka Metroを利用される方はPiTaPa一択です!
(マイスタイルはきちんと登録しましょう)
たまにしか電車に乗らない場合
通勤では利用しないけど、たまに外出する際にお得に利用したい場合はクレジットカードがおすすめです
(Osaka Metro除く)
smart ICOCAやモバイルsuicaにクレジットカードでチャージすれば、チャージ分のポイントをもらえます
ただし、ICOCAやSuicaへのチャージはポイント対象外のクレジットカードが多いので注意が必要です
(どのカードがポイント付与の対象かは、書くと長くなるので本記事では避けさせていただきます)
私のおすすめは、タッチ決済のあるクレジットカードを利用する!です
南海電鉄/泉北高速鉄道では2021年に日本で始めてタッチ決済可能な改札機を導入しております
画像は南海 難波駅のものです。
赤丸の部分にタッチ決済の要領でタッチしてください。
ちなみにこの改札機はPiTaPaが使えないタイプですが、通常の改札機に後付でタッチ決済機能をつけたものもあります。その場合は、なんかすごくごちゃごちゃしてます(笑)
タッチする場所も間違いやすいので、ちょっと注意が必要です。
2024年中には関西の他の私鉄も導入予定とのことです!
クレジットカードだと1%以上ポイント還元されるものもあるので、お得に使いましょう。
おすすめカード
それぞれの会社が発行しているPiTaPaカードが、最も得になりやすいです。
PiTaPa | STACIA | e-kenet | KIPS | minapita | OSAKA |
---|---|---|---|---|---|
買い物 | ショップdeポイント 0.1% | ||||
交通利用 (通常利用) | Sポイント | おけいはん ポイント | KIPS ポイント | minapita ポイント | Osaka Point |
0.5%~ | 1% | 0.5% | 0.5% | 1% | |
区間指定時 | 10% | 10% ※1 | ー | ー | ー |
Metro利用時 | Osaka Pointが0.5%貯まる ※2 | 1% | |||
対象路線 | 阪急、阪神、能勢 北大阪急行 北神急行 神戸高速 | 京阪 | 近鉄 | 南海 泉北高速 | 大阪メトロ ・シティバス |
クレジット | 一体型 | 分離型 | 分離型 | 分離型 | 一体型 |
店頭提示 ポイント | 0.5% | 0.5% | 割引など | 割引など | 0.5% |
対象店舗 | グランフロント 阪急百貨店 阪神百貨店 関西スーパー | 京阪百貨店 くずはモール | 近鉄百貨店 | なんばパークス なんばCITY | 駅ナカ |
※1 区間指定は京阪線のみ可能です
※2 以前まではOsaka PiTaPaのみ対象でしたが、拡大されました
ただし、他社PiTaPaはOsaka Metroを使用しても0.5%の還元となります
なお、Osaka Point獲得のためにはe METROアプリをインストールし、登録する必要があります
PiTaPaで買い物するとショップdeポイントが貯まりますが、率が低すぎるのでやめましょう
STACIAカード、e-kenetカードで区間指定料金に達した場合は10%還元があります。
これらのカードは、料金は実質6ヶ月定期券に相当するため、定期券を買わなくても大丈夫です。
結論
Osaka Metroはマイスタイルがかなりお得です。(通勤通学どちらも)
泉北高速鉄道と南海電鉄の乗り入れをしている方は、定期券を買わない方がお得かもしれません
それ以外の方は勤務日数によって変わりますが、週5日以上ならば6ヶ月定期券がお得でしょう
JRは定期券の割引が大きいので、週4日以上で6ヶ月定期券がお得でしょう
クレジットカードで購入すればポイントがついてお得です
学生は何も考えず、通学定期を買いましょう
PiTaPaはよく利用する会社のものを発行しましょう
以上です。お疲れ様でした。
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